「どん底まで行けばあとは這い上がるだけ!」涙活ポジティブ思考

「涙活〟=泣ける境遇にわが身を置いて、思う存分涙を流すこと」。

そんな説明を聞いて、なんてネガティブな!うしろむきな!と思ってしまう人もいるかもしれません。私も、最初のうちはそう思っていました。

でも、知人から、こんな話を聞いたのを思いだしたんです。

「10代の頃、大失恋を経験したの。それまで、何度か男性とつきあったことはあったけど、みんなが彼氏つくってるから私も…、向こうから言い寄られて悪い気はしなかったから…、とか、軽薄な理由でのおつきあいだったんだけど、その彼とのときは全然別格!身も心も…、という感じでホント、真剣恋愛だった!にも関わらず、彼からとんでもない振られ方したの…。ショックだったし、思い詰めて死のうかとも考えた…。そんな状況の私を見て、家族や友人が一生懸命励ましてくれるのよね…。元気が出るように、っていろいろな場所に連れ出してくれたり、私もみんなの期待に添わなくちゃ、って必死で元気を取り繕うけど、ますます沈み込むばかりで…。あるとき、もうホントにダメだ…!って、部屋のカーテン全部閉めて布団被ってね、なぜかクラシックのレクイエムとか聞きたくなって…。で、かけたの。これ全部聞き終わったら死のう、とかって…」。

死者の魂を慰めるための鎮魂歌(レクイエム)をかけて、思い切り、泣いて、泣き叫んで…。

「レクイエムが終わる前に、突然我に返って。なぜか『あれ?』って…。なんで私、泣いてたんだろ?ってスッキリしちゃったのよね…。不思議なことに」。

そのあと、彼女は急にお腹が空いて、「そうだ、もう何日もまともに食事してなかった」と思い出したんだそう。食べて、お風呂に入ってグッスリ眠って。次の日から元気に学校に行けたのだそう。

そう、どん底まで行けば、あとは這い上がるしかない。落ち込んだときは、無理して、明るさを取り繕って、より傷を深くしてしまうより、とことん、その落ち込んだ気分と向き合って、好きなだけ泣けばいいんです。それこそが、〝涙活〟。もしかしたら、うしろむきどころか、とことん前向きの究極ポジティブ思考かも知れません。