驚異の大自然、歴史的建造物を目の前にして、気持ちよく号泣!

最後にご紹介するのは、もしかしたら、途方もなくお金がかかってしまうかもしれない〝涙活〟です。

あなたは旅行が好きですか?旅は国内派?それとも国外派?ガイドがついて有名な場所、人気のスポットなどを効率よく回れるようなツアー旅行が希望ですか。それとも、ガイドブックをくまなく読んで、行きたい場所をピックアップし、自分なりの旅の計画をつくりはじめるところから旅が始まる!と考えるタイプですか?

旅の目的も人それぞれ。外食をするたび、料理の写真を撮り、インスタグラムにアップすることを無上の喜び、あるいは使命のように考えている人もいます。そうした人は旅の思い出をスクラップブックに残すように、インターネットにていねいに記録していくのでしょう。

あるいは、そのときどきの体験を真剣に楽しもう、とする人。「記録は心のカメラに焼きつければそれでいい!」と、写真に残すこともしません。でも、心の栄養にはきっと充分になることに違いありません。

旅の目的を〝涙活〟と定めてみるのはいかがでしょう。その昔、「センチメンタル・ジャーニー」をテーマにした歌が流行りました。20代、30代の人、40代、50代前半の人にとってはそれぞれの時代のアイドル歌謡、あるいはJポップ。もう少し上の世代では、往年の洋楽の名曲として捉えていらっしゃるでしょうか。

センチメンタル・ジャーニーと名のつく旅は、〝涙活〟ととてもよく似ている気がします。

オススメスポットは、国内だったら、ヒーリングスポットとして名高い神社や、霊峰などはいかがでしょう。予算があるようでしたら、世界各国の世界遺産を巡るのも一興かと思います。何世紀にも渡って人類の歴史を見守ってきた古い建造物、驚異の大自然…、そうしたところで、ちいさな自分に涙を流す。小さな自分を生かしてくれている世界に感謝して号泣する…。そんなスケールの大きな涙活があってもいいのではないかな、と思っているのです。

あえてゴージャスルーム、ひとりカラオケで思う存分涙を流す!

先日、「ひとりカラオケ」をテーマにしたドラマを見ました。私のひとりカラオケ歴は長く、かれこれ20年以上になります。ホテルのカラオケボックスなども利用したことはありますが(もちろん、ひとりで!)、このドラマで紹介されたほど、ゴージャスなカラオケルームは見たことがありませんでしたので、これはひとりカラオケマニアとしては、是非ともおさえておきたい!とカラオケボックスの名前、場所をメモに取り、早速インターネットで検索!

そのカラオケボックスのすばらしさは、部屋の豪華さ、多種多様な料理だけにはとどまらず、なんと、カラオケボックス利用時に、カラオケボックス利用頻度の高い人なら絶対、そこにこだわるだろう!という、曲数の多さが日本一!というのが最大のウリなのでした。

インターネットでも、曲を検索できるというので、やってみましたら…、かつて「泣ける曲が多い!」とマニア支持の非常に高かった、シンガーソングライターの、アルバム収録曲、ぜんぜん売れてない、有名でもない…、が入っていたので狂喜乱舞!このカラオケボックスの本気度、…パネエ!(ちなみにハンパではない、というほどの意味合いの若者コトバです。スミマセン。舞い上がりすぎました)。

実際に出かけてみました。若者が多く往来するS谷のチェーン店です。お値段は、他の格安カラオケボックスチェーンに比べ、倍以上…、とちょっと高め。でも、いいんです。曲数が多いから。まったくノープロブレム。

かくして、ゴージャスルームのひとりカラオケ、存分に堪能しました。思いっきり酔い痴れて…、気持ちよく泣きました。…コレ、もし、カラオケ屋の店員がモニターチェックなどしてたら、羞恥死にしてしまいそうな痴態ぶりです。

音響もすばらしく、マイクの感度も良好!すばらしい、ひとりカラオケ涙活!とご満悦の自分でしたが…。支払いを済まそうと、廊下に出たところ、自分の隣でひとりカラオケしていたらしい人が店員にクレーム。

「防音設備完璧って書いてあったんですけど、音漏れしてませんか」。

結構な剣幕です。スタッフ、丁重に答えています。「防音には万全を期しているはずなので、お客様の歌声は外までは漏れていないかと…」。

「いや、そうじゃなくて!隣の歌声が、うるさくて!ボクが自分の歌にまったく集中できないんですよ!」。

…そ、そりゃあ、紛れもなく私のドラ声だ〜!思わず調子ノリ過ぎました!ごめんなさい〜!

「やっぱ音楽でしょ!」クラシック、Jポップ、泣ける旋律大特集

涙を流すことには、ストレスを解消する効果があるということが科学的にも証明され、いま、巷では積極的に涙を流す活動、〝涙活〟がブームとなっています。ゆえに、世間では涙活に効果がある、というさまざまな方法が紹介されていますが、今回、とくに着目したいと思ったものは〝音〟です。

先日、某涙活イベントでは、この〝音〟=聴力に特化したプログラムが開催されました。

通常の涙活イベントでは〝薄暗くする〟程度にする照明を、完全な闇とまでは言えないまでも、人間の体感としては、ほとんど、「真っ暗闇」と認識するほどまでに暗くされていました。

またイスにも腰掛けるという状態ではなく、感触のよいリクライニングソファを使用し、それぞれの好みで水平になるまで背もたれを倒し、ベッドに横たわるのと同じ状態をつくりだすことができるため、最高にリラックスした環境の中で、人の肉声という〝音〟だけを捉え、涙を流すという非常に希有で、また、贅沢な時間となりました。

このたび、ぜひご紹介したいと思ったのは、自宅で簡単にトライすることのできる、〝音〟による、涙活です。

聴覚を研ぎ澄ますために必要なのは、やはり〝暗闇〟。自宅で暗闇をつくりだすことは難しいかもしれません。その場合は、旅行グッズなどを取り扱っているショップに置いてあるアイマスクなどを活用してみるのもよいかもしれません。最近のアイマスクは、目元を冷やす効果のあるものなどもあります。好みに応じてセレクトしてみて下さい。

選ぶ音は、上手な役者さんの演じている、朗読CDなどでもよいと思いますが、個人的なオススメは断然ドラマ性の高いクラシック音楽。ポップスなど流行歌と違い、長さも充分にありますし、涙活にはもってこいと思われます。マイナースケール(単調)のレクイエムなど、宗教音楽にはとくに〝泣ける要素〟の高いものが多いと思っています。宗教音楽以外ではオペラやバレエ音楽など。独特のカタルシスがありますね。私は単調の曲が長調に転調するところで涙が溢れてくる場合が多いです。

しかし、これはあくまで好みの問題。クラシックのみならず、Jポップ、洋楽、演歌など、思い出のある曲、思い入れのある曲などの方が、スムーズに泣ける場合も多いかもしれません。あなたの好きな旋律の曲を探してみましょう。

曲を選択したら、部屋を暗くして、ソファにくつろいだり、ベッドに横たわるなどして、音楽に耳を委ねましょう。このとき、タイマーなどを使用し、少しタイムラグをつくってから音楽が始まるようにするとさらにムードが高まると思いますよ!

今度の週末などに、ぜひ自宅で音楽による〝涙活〟、を試してみてくださいね!

涙活三年目の中級者に「絶対に泣ける話」を披露してもらった!

涙活を始めて三年目という、自称・涙活中級者?一見コワモテの専門職の20代Aくんに、「俺的に、毎回必ず泣ける話」というのを披露してもらうことになった。

「恥ずかしいんですけど、子どもの頃、幼稚園で先生が読んでくれた絵本があって、すっげ泣けたんですよ。こんな悲しい話、なんでこの世に存在するんだよ!って…。滅茶苦茶泣きました」。

その絵本と同じエピソードに、その後、10年経って再度遭遇することになる。

「つきあってた彼女が、マンガ好きで。しかも最近のじゃなくて、古い、昭和とかの漫画が好き、とかって。それで勧めてもらったのが、マンガの神様とか言われている某大御所マンガ家が、宗教をテーマに描いたマンガで。最近流行ってる、宗教のパロディにしたマンガにも、そのマンガのネタが描いてあるんですよ。面白いから読めって言われて…。そうしたら!幼稚園のとき、あんなに泣いたあの話が!マンガの神様のマンガに出てきて…。もう不意打ちだったから、大泣きです。隣にいた彼女に、『どどどど、どうしたん!?』って思いっきり驚愕されてしまいました」。

絵本のタイトルはAくん、覚えていなかったのだが、内容は、「月ウサギ」の話だったと言う。

「月ウサギって単なる童話の中の存在だと思っていたんですが、実は仏教説話だったんですよね〜。ウサギは実はお釈迦様の生まれ変わりだったんだと言う…。マンガの神様の作品で、ようやく話が繋がりました。いや〜、深いなあ…」。

内容の詳細をAくんに話してもらおうと思ったが、Aくん、思い出しただけで号泣してしまい、話してもらうことは残念ながらかなわなかった。各自、〝月ウサギ〟ちうキーワードで検索してみて欲しい。あなたもAくん同様、この話で号泣できるだろうか…。

本やコミックの世界に浸りまくり!お金のかからない究極的涙活

涙活って結構ブームらしいけど、イベントに参加するのってお金、かかるんですよね?そんなに大金じゃないと言っても、積み重なれば結構な額になってしまうでしょ?涙友とか言うんですか?涙活を通じたトモダチとかできて、「じゃ、今度この涙活イベント一緒医行かない?」なんてやってたら、交際費でお金がすっとんでっちゃいそう…。

そういう類の涙活を否定したりはしないけど、ま、評判のいい涙活イベントとかあったら、たまには出かけてみようかな、って気もなくはないけど、自分のしている涙活はいたってお金のかからないものです。〝二次元涙活〟とでも言おうかな…。そう、簡単に言えば、泣ける本やコミックを読む。それだけの涙活です。…あ、でも効果はバッチリありますんで!

本やコミックも新刊を買えばそれなりにお金、かかっちゃいます。自分も、「これぞ!」って思うのは新刊で買うけど、それが〝泣き〟の観点でハズレだったりするとガックリですよ…。

また、新しいものより、古いものの方が泣けるのがあったりして…。最近のだと、スタイルっていうか、「そうくるだろ!ホラ見ろ、そう来た!」ってパターンが読めちゃう…。でも古いのだと、意外なとこから、〝泣き〟が来て…。「マジかよ〜。それって反則じゃねーの…」って涙ながらに思ったりする。

古い本は図書館で読めたりするけど、コミックはちょっと難しい。ネットなんかで古書扱ってたりするとこ、探したり…。あとはネットで知り合った涙友に聞いたりしますね。年齢がちょっと上だったりする涙友さんだと、貴重な古い本、コミック蔵書を持っていたりしますので、超ありがたいです。若い連中が知らない確実に泣けるネタ、持ってたりしますから…。

二次元涙活成功のコツは、幅広い年齢層の涙友をつくって、よりバラエティに富んだネタを仕入れること!これに尽きますね。

照明を落とした室内で聴覚だけを研ぎ澄まし、さめざめと泣く…!

その涙活イベントは、シンプルなシステムながら、なかなか手の込んだものでした。以前、何度か体験した涙活は、会場にイスが並べてあって、薄暗い照明の中、スクリーンに映し出された映像を見て涙する、という類のものでした。

しかし、そこに用意されていたものはリクライニングソファ。なかなかよい感触なので、そのまま座っていてもいいですし、好みの角度に倒してもよい。周囲の人もそれぞれ。水平に倒してしまっている人もいましたが、私はある程度角度をつけるだけに留めました。

参加者全員、イスに座り終え、角度を調節し、落ち着いた頃を見計らって、照明が消えていきました。通常の涙活ですと、映像を見たりするので、周囲の灯りが消えてもスクリーンは明るいという場合がほとんどですが、その涙活イベントでは、灯りはどんどん消えていき、完全な闇ではないのでしょうが、…完全な闇と感じられるほど、周囲は真っ暗になってしまいました。

一瞬、自分がいまどこにいるのか、わからなくなってしまうほどです。そのままいたら、自分が消えてなくなってしまうのか、という錯覚すら起こしかねないほど、それは完璧な闇でした。不安のためか、啜り泣きめいたものが聞こえてきます。

そのとき、深く落ち着き、とても温かみのある声が聞こえてきました。

「大丈夫ですよ。心配しないで…」。

あとから参加者に聞いたところ、リクライニングソファに仕込まれた音響効果のせいかわかりませんが、…その声は人によって、女性に声に聞こえたり、男性の声に聞こえたり、子どもの声に聞こえたり、異なって聞こえているのだそうです。

暗闇の中、その声に、語りかけられ、いつしか、心から安堵し、涙を流していました。ただ、ひたすら聴覚だけを研ぎ澄まして、さめざめと…。

少しずつ周囲が明るくなってきて、元の世界に戻った、という気がしました。今まで語りかけてくれた人はどこなのか。影も形もありません。リクライニングソファに腰掛けた人のうちの誰かだったのか。

参加者に聞いたところ、このような形態の涙活はとても珍しいそうです。また、どこかで開催されることがあったら、ぜひ出かけたいと思っています。

クリアな音と美しい映像!情感刺激しまくりの、シネコン涙活

映画や、ライブなど、行くのは大好きだけど、ひとりでは行かない、絶対に行けない、というような人は、主に女性を中心に多いようです。なぜなのか、理由を尋ねてみたところ、

「ひとりで来ていて寂しいヤツ、とか思われるのが耐えられない」という人が大多数でした。実際に「ひとりだと寂しい」と思っているわけじゃなくて、「いとりでくるなんて寂しい人ね!」とレッテルを貼られることがイヤだ、という理由ですね。

しかし、私は思うのです。そんな、行きずりの人に思われても、気にしないでいいじゃないか、と。あるいは、ちょっと顔見知りの人に見られてしまったからって、「あ、そういう人なのね」でいいじゃないか、と。多分、そういう見栄というか、気取りというか、取り繕いが、いろんな面でストレスにつながってしまうように感じてしまうのは、私だけなのでしょうかね…。

さて、今、話題の涙活です。涙を流してスッキリしちゃおう!ストレスを吹き飛ばしちゃおう!っていうアレです。これ、いいんじゃない?って思っているのがシネコン涙活。座り心地のよいシートで、抜群の音響と、大スクリーンに映し出された鮮明な映像で、情感を刺激しまくっちゃいませんか、という提案です。

もちろん、友人や恋人と一緒に行ってももちろんいいんですよ?でも、泣きのポイントって人それぞれだから、自分にピッタリあった好みの上映を探して、あえてひとりで出かけてみてはいかがでしょう。

以前、とあるシネコンで、封切られてだいぶ経ってからのアイドル映画を見に行ったことがあるんです。アイドル映画って時点で、人を選びますよね。そのアイドルに興味がない人なら、見る価値がないと思ってしまうような類ですし…。それで、ひとりでした。ひとりで映画館に入って、スクリーンに映像が映し出されて終わるまで、…ひとりでした(爆)

あの贅沢さは他にないですよね〜。思う存分、泣きました。声を上げて泣いても人目を憚る必要もナシ!ポップコーンを音立てて食べても、咎める人ナシ!足を投げ出し、リラックスポーズで見ても、恥ずかしくない!

シネコン涙活。オススメです!

失恋、ペットロス…、心の引き出しから悲しい思い出を取りだして

人はふだん、自分の悲しかった思い出を心の奥深くの引き出しにしまいこんでいたりすることがあります。意識的に整頓して大事にしまっているというような人もいますし、その思い出が、あまりにも辛すぎて、もう二度と思い出したくもなくて、「あれは、なかったこと!」とその思い出のすべてを隠すように強引にしまいこみ、フタをして、見えなくしてしまう、忘れてしまう、あるいは〝忘れたフリ〟をしてしまう、というようなこともあります。

思い出したら、再度その思い出と向き合ってしまったら、心が崩壊してしまいそうに辛い思い出には、「フタをしてカギをかけて」おいた方がいいというケースも、もちろんあるでしょう。しかし、実際には、ことあるごとに、なにかと気になって仕方ない、いつかは向き合わないときっと前には進めない、でも向き合うための勇気は出なくて…。それで、〝忘れたフリ〟をしつづけてしまっていることもあるかもしれません。

もし、その思い出が心の奥底に存在しているということ、ずっとなかったこと、見ないフリをしていること自体が、実はあなたのストレスになっているのだったら、その悲しい思い出とは一度、真っ向からきちんと向き合ってみることも、あなたには必要なのかもしれません。つらい失恋の思い出、悲しいペットの死…。思い出すといくらでも泣けてきてしまう…。でも、折を見て、その思い出を、心の奥底から引き出して、もう一度向き合って、思う存分、声をあげて、泣いてみてもいいんじゃないか、と思います。泣いて泣いて泣きはらして…。

そのあとに、あなたの心に残るものは、もしかしたら、あなたがこれから先、真っ直ぐに前に進んでいくための、大切なヒントかもしれませんよ?

たとえばカップルで賑わう街角で…、群衆の中の孤独に浸ってみる

明日への活力、涙を流してスッキリ!ストレス解消できてしまう!という涙活のために役立ちそうな、泣きのシチュエーションを思い描いてみました。

涙活は、今、たいへんなブームになっていますから、涙活イベントなんてものも、毎日、どこかしらで行われているらしいのです。しかし、初めての場所に行く、というのは勇気がいるもの。また、プライバシー面を心配される方も、もしかしたら少なくないかもしれません。

でも、泣きたい。なんとかして泣きたい!涙を流してスッキリしてみたい…。

そんな方のために、こんなシチュエーションをご用意してみました。題して、「群衆の中の孤独」プロジェクト。

今、あなたには恋人と呼べる存在がありますか。なければ、それだけで、その「自分には恋人がいない…」という状態で、ちょっとだけ、鼻の奥がツンとくるかもしれません。「恋人なんか…っ。いても、自由が奪われて面倒くさいだけだい。なんでも好き勝手できる。好きなときに好きなものを好きなだけ食べ、好きなときに好きなところに出かけられる…。やりたいことをやりたいだけやれる。独り身は最高なのさ!」

…なんて。意地を張らなくてもいいんですよ?ひとりであることの寂しさ、認めてしまいましょう。

「恋人は…、います!」と断言できるあなた。その恋人との仲は、良好ですか?円満ですか?もしかしたら、最近、すれ違いが増えてはいませんか。デートのマンネリ化がつづいていませんか。「そ、そんなことない。お互いが忙しいだけだし、時間ができたら、旅行にでも行こうね、って言ってるし…。だって結婚を前提にしたおつきあいだし…」。

いいんですいいんです。どうぞ、無理しないで。長くつきあえば、当然、倦怠期ってあるもんですよ。

そんな寂しいあなた方、…あえて、カップルのあまた出没するような人気スポットにひとり、出かけてみませんか。鼻の奥どころか、胸の奥までぽっかり穴が空いた気分になること請け合いです。そうしたら、我慢せず、泣いてしまいましょう!

…そう、こういう群衆の中の孤独って、唐突に、不意打ちでくるからこそ、辛いのです。その辛さと向き合えず、逃げ出してしまいたくなるのです。でも、「わざわざ」自分で出かけていったのなら。あらかじめ、覚悟ができているもの。なので泣きましょう。思う存分!

泣いたあと、スッキリした心であらためて、冷静に考えてみましょう。いま、自分が真に欲しているものはなにか。

「泣け!喚け!叫べ!」…いま、巷で密かなブーム〝女優ごっこ〟

涙活が話題ですが、私が最近耳にしたのが、あらゆる泣きの状態を表現するという、「女優ごっこ」。涙活の進化形と言いましょうか。なかなかユニークな試みなので、ご紹介したいと思います。

みなさん、〝泣く〟と一口に言いましても、いろんな泣き方があるのはご存じですよね?たとえば…。

嗚咽(=おえつ。むせび泣くこと)、号泣(=ごうきゅう。大声を泣き叫ぶこと)
、慟哭(=どうこく。嘆きのために声を上げて泣くこと)の他にも、通常まず耳にしないような難しいコトバで、
哀哭(=あいこく。哀しみのために声を上げて泣くこと)、嗁呼(=ていこ。泣き叫ぶこと)、
啼血(=ていけつ。血を吐くほど泣くこと)、涕泣(=ていきゅう。涙を流す)、
欷歔(=ききょ。啜り泣くこと)、感泣(=かんきゅう。感動して泣いてしまうこと)、鬼哭(=きこく。死者の魂が泣くこと)…なんて表現もあります。

日本語って実に多彩。演劇のワークショップなどで行われる定番レッスンで、何人かで列をつくり、端から少しずつ泣きを増大させていき、最後に泣きのマックス状態をつくりだす、というものがありますが、もし、日本語のコトバの数だけ、〝泣き〟を表現してみたら、それは単なる〝泣き〟のテンションの高低だけでは表せないということになりますよね。だって、鬼哭(=きこく。死者の魂が泣くこと)なんて…。いったいどうやって泣くのよ、って感じ。

それを実際やってみよう!と言うのが、いま、密かなブーム(?)を呼んでいる、という〝女優ごっこ〟。演出家に言われる通り、「泣け!喚け!叫べ!」を演じるなら、まあ、素人にもできそう?しかし、実際に国語辞典を広げて、上記のようなコトバ、それ以上の泣きの状態を表現していったら…。

辞書で泣きに関するコトバを目で追っていくだけで…。すでにもう、泣けてきそう…。